プロトン移動反応質量分析計シリーズ
概要
イオン源で発生させたヒドロニウムイオンH
3
O
+
と揮発性有機化合物で起こるプロトン移動反応を利用して、測定対象の揮発性化合物をイオ
ン化し、質量分析計でリアルタイム測定します。製造元のIonicon Analytik GmbHはInnsbruck大学イオン物理研究所のスピンオフでイオン
-分子反応の速度論の十分な基礎があります。プロトン移動反応質量分析法はフラグメンテーションの非常に少ないソフトな化学イオン化質
量分析法の一種ですが、湿度の存在する空気中で最も優勢な反応で、反応速度定数が物質の種類にほとんど存在しない特性(2×10
-9
cm
3
/s
程度)があります。一次イオンのH
3
O
+
を大過剰に発生させることにより、速度理論的な絶対濃度測定法となり、標準ガスの得られない物質
についても一義的に定量が可能となります。オンライン、リアルタイムの計測装置としてマイルストーンとなる100 ppq(ppq=10
-15
)レベ
ルの検出限界を達成する超高感度です。水よりもプロトン親和力の大きい物質は測定可能でアルカン、エチレン、アセチレン、ハロゲン化ア
ルキルを除く有機物全般、および硫化水素、シアン化水素、ホスフィンなどの一部の微量無機ガスが測定対象となります。またオプションの
選択一次イオン源により、H
3
O
+
からNO
+
に即時切換えることができ、同重体のアルデヒドとケトンの区別に有用です。またO
2
+
に切換えるとハ
ロゲン化アルキル、エチレンなどの測定が可能となります。分離機能がないため、GC-MSに比べ定性機能は劣りますが、揮発性有機化合物の関
係する一時的、あるいは変化の速い過程やプロセスの挙動を追跡するために使用されます。またGC-MSなどと相補的に使用すれば、研究開発あ
るいはプロセスもしくは品質管理が格段に増強されます。適用対象は大気環境測定、自動車排ガス測定、香料・ライフケア製品開発、森林植
物活動研究、食品研究、焼却炉排ガス測定、発酵プロセス管理、化学物質管理、室内汚染調査、法医学、保安など広範です。御要望に応じて
GCの高感度検出器としての結合、液体試料の分析、水中の揮発性有機化合物の分析などにも対応します。またプロセス監視および管理のため
のカスタムソフトウエアの製作も致します。
特長
● 絶対濃度測定法となるので、標準ガスなどの得られない物質でも一義的に定量可能です。
● 大気圧化学イオン化や電荷移動反応などの他の化学イオン化のように、水分除去や水分の影響の補正を前提とする必要がなく、特にアル
コールや有機酸など親水性の有機化合物の測定で大きな威力を発揮します。
● 電荷移動反応などによる化学イオン化と比べてフラグメンテーションが少なく、衝突誘起解離による脱離パターンは単純です。
● 大気の一次イオンを生成するため100 ppqレベルまでの超高感度です。
● 0.1~10秒程度のリアルタイム測定で、しかも応答時間も0.1秒以下と高速です。
● 測定濃度は生成物イオンのカウント数と一次イオンのカウント数に完全に比例するため、直線定量範囲が1 ppt~10 ppmと6桁あります。
高感度版プロトン移動反応質量分析計
HS-PTR-MS
カタログPDFファイル11.2M
四重極質量分析計搭載の基本機かつ最高感度版で、100 ppqレベルの検出限界を達成します。
コンパクトプロトン移動反応質量分析計
Compact PTR-MS
カタログPDFファイル15.6M
四重極質量分析計搭載で測定質量範囲は0~300 amuと狭く、検出限界は500 pptですが、
プロセス管理などの用途には十分であります。
コンパクトプロトン移動反応TOF質量分析計
PTR-TOF 2000
カタログPDFファイル22.4M
小型飛行時間型質量分析計搭載で、多成分同時の超高速測定に威力を発揮します。
特に高質量数の物質の測定で有利となります。
高分解能プロトン移動反応TOF質量分析計
PTR-TOF 8000
カタログPDFファイル22.5M
高分解能飛行時間型質量分析計搭載で、多成分同時に質量分解能8000程度の高分解能で精密質
量数測定を行えます。含酸素化合物や含窒素化合物を含む同重体の区別及び特定が可能となり
ます。
最新情報
この度の東日本大震災におきまして、被災されました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。 一日も早く皆様の暮らしが元に戻りますようお祈り致しますとともに、お亡くなりになりました方々のご冥福をお祈り致します。
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